真冬のスペイン巡礼記

2018年1月、ブルゴスからサンティアゴ・デ・コンポステーラを巡礼してきました。

1/9(火)カルサディージャ・デラ・クエサ~サアグン

今朝は同室の二人はなかなか起きてこない。

私は7時過ぎに起きて準備して、少しぼんやりしたり。一人でも出られるけど、入口に何本も置いてある杖が気になっていた。泊まっている人は私達の他にいないから宿泊者の物ではないみたいで、もし余ってる物だったら買わせてもらえたらありがたいなあと。今日の目的地のサアグンは結構大きな町だから着いてから探せば杖も買えそうなんだけど、今日歩くのを少しでも楽にしたいなあと思って。

8時頃にDさんはやってきた。ここで杖は買える? と聞いたら、入口のじゃなくて事務所から木の杖を一本持ってきて渡してくれた。値段を聞いたけどあげるから持っていけという事らしい。

もう本当にありがたかった。この日以降この杖にどれだけ助けられた事か。

 

三人で歩きだすけどすぐにバラバラになる。この辺りで距離を稼ぐ、と言っていたMちゃんはその通りかなりの速さで、J君はマイペース、私は一番後ろでゆっくりと無理せず。杖、あるとかなり負担が違う。足もだけど上半身がフラフラしない。

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 スペインに来て二度目の晴れた朝日。でも、今日は日が昇りきる頃には天気が崩れてきて本格的な雪に。

途中でお菓子休憩を取り、また歩きだした昼頃には道が真っ白になっていた。

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車の通る道路にはぎりぎり積もらないぐらいの降り。けど巡礼路はだいたい土なのでしっかり積もっていく。

でも今日は初日や翌日よりずっと寒いのに、昨日までよりしっかり歩けていて疲労もそこまで酷くない。何より心持ちが全然違って凄く楽。

杖効果。それに昨日のホスピタレイロDさんがあんまり明るいのでこっちもそんな空気が移ったのかもしれない。Mちゃんが言ってた通り身体がようやく歩くのに慣れてきた事。昨日久々に日本語をたくさん話して気が休まった事。同じ天気が悪い道でも、私一人で歩くしかなかった日と違って通り過ぎる車がそこそこあって人の気配がする事。まあ理由は色々だけどかなり前向きになっている。

後から思えば、体調面ではここからアストルガあたりが絶好調でした(歩くのは相変わらず遅いけど)。後半またちょっと不調になるけどそれはまあ後で。

14時頃に途中の街でお昼にする。カフェコンレチェとバナナ。

この辺りから車道を通る車の量がぐっと増えている。多分レオンが近いからなんだろうな。

 

Sahabun Cluny pilgrims Hostel

16時頃にサアグン到着。

線路のある街。旅客の駅もあるけど、街の入口付近は貨物線なのかな? 何となく、私の地元の風景に似ているからそう思っただけでちゃんと確認はしていない。

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この線路の感じとか本当にうちの実家近くによく似ていて。もし左右に見えるのが瓦屋根だったらまんま地元。街中に入ると全然違うけどね。

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公営のアルベルゲ着。

受付にお姉さんが一人。使い方解るよね? じゃあどうぞ、みたいな感じで一人で二階へ上がる。今日も私の他に誰もいない状態。

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広いのに占拠出来ている……けど、結局出入りしやすい入口近くを選んでしまう。

キッチン有り。コンロ・電子レンジ有り。食器はあるけどふきんとかはないのでタオルなりペーパーなり必要な感じ。

エアコンは設定温度があるのかついたり消えたり。けど、天井が高いものであまり暖まらない……。

シャワーから出てきて凍える程ではなかったので一安心。

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地図を確認し、近くにスーパーがあるのでそこへ行きがてら近所を散策する。鉄道の駅とバス停も近いのを確かめる。電車でレオンまでショートカットする事も出来る。

外へ出たら雪は小降りになっていて、特にカッパがなくても大丈夫な程だった。スーパーでお菓子の補充とパンとチーズを買う。こんな初めてのおつかいレベルの買物でやったー買えたと喜んでいるから気楽なものだ。

暗くなってからもう一度外に出ようとしたら玄関へ通じるドアが閉まってる。なんかでかい錠が嵌まってて閉じこめられたやつ??? と周囲を見たら、裏口のドアが出られるようになっている。しかしこれは……とブルゴスのアルベルゲのベランダで閉めだされたのを思いだして外へ出ていいものか迷う。外へ出るドアをベランダの扉のように半開きにはしておけないし、けど閉めると私が帰ってこられない……。

一人で暫し悩んでから、ドアに穴が空いていて紐が外に出ているのに気がつく。で、この紐を外から引っぱると鍵が開く(物理的に)。

あー普通に閉めて出てこれで入ればいいのか(防犯的にゆるゆるだー)。で、門限になったら誰かが抜くわけか、と気づいて普通に門から出た。一度外から紐を引き、問題無く開けられると確かめてから晩ご飯に行く。

アルベルゲのすぐ向かいのバルで夕食。なにげに一人でバルで晩ご飯食べるのは始めてだった。

ハンバーガーとトルティージャロゼワイン。7.5ユーロ。ハンバーガーがバンズじゃなくてでかいバゲットに挟まれてくるようなやつでかなりボリュームがあった。

店内のテレビを見ていたらスペイン北部はどこも大雪、みたいなのをやっていた。地図が映って、それを見る限りはこの先行くところだいたい降っているような。

明日から歩くところもきっと雪なんだろうなあと思いつつ、やっぱり一昨日までと比べると全然悲観的になっていない。やっぱりお腹いっぱいになると元気になるものだ。よし全然頑張れる。

 

紐を引いてアルベルゲに入るとやけに騒がしい。私以外にいないはずなのに何故……と声の聞こえる、錠の掛けられたほうのガラスのドアの向こうを見ると、なんかダンスの練習みたいな事をやっていた。地元の集まりか何かだろうか向こう側のアルベルゲじゃない部分にステージがあって音楽がかかってる。

結局21時ぐらいまで音楽は聞こえていたけどそんなに気にせず寝た。