真冬のスペイン巡礼記

2018年1月、ブルゴスからサンティアゴ・デ・コンポステーラを巡礼してきました。

アルスーア~ペドロウソ

朝、アルベルゲでは食事を摂らず、りんごを食べながら歩く。

今日は20キロ強の予定。相変わらず背中は痛むけど、風景は変わるしちょっと休憩に座ったりカフェに入ったり出来る街も定期的にあるしで飽きない。

 

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高低差はこのへんも結構あって眺めはいいけどここを行くのね……みたいな気持ちにはよくなった。

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湿った道を歩いて行く。

サリアからの100キロはちょっとした小旅行、気分の人も多いみたいで、音楽をかけながら半分踊りながら歩いてる三人組とか、リュックは大きいのに羽織ってるのはスポーツ用ですらなさそうなダウンコートな女性とか(雨が降ったらどうするんだろう?)いろんな人を見た。巡礼の形も様々なんだなあ。

序盤の人のいない感じと比較すると皆楽しげでわいわいしててなんていうかお祭り感がある。

ガリシア地方に入ってからは野犬が怖い、みたいなのも事前情報で見ていたけど、私が見た野良は痩せて可哀相な感じの一匹だけだった。柵の向こうから吠え立ててくる飼い犬はたくさんいたけど。

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ブランコみたいな枝の樹。通りすがりのカップルに撮ってもらったんだけど、やけに何度も見返してるなあと思ったらついでにインカメ撮影でしっかり目線決めた二人の写真が私のスマホに残っていましたよっと。誰ですか。

 

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私はゆっくりゆっくり歩いているので、10時とかに出発したような人にもどんどん抜かされていく。でもまあ気にしない。気にして無理してもしょうがない。

休憩でスープとトルティージャ。中にジャガイモの入ったこのオムレツが大好きでよく食べていた。丼一杯のスープも好き。

しかしこの日はちょうど私が入ったタイミングでパエリア売り切れだそうで……しかもそろそろ出ようかって帰り際のタイミングで新しく炊き上がるとか本当に運が悪かったみたいだった。まだスペインに来てパエリア食べてないんだよね。だからか日記にも売り切れ悲しいって書いてあった。

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番犬、みたいのが鶏と一緒にいる。

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そうこうしているうちに雨が降ってきて、足元もぐちゃぐちゃで常に水が出てる感じになってきた。

途中休憩に寄ったバルでペドロウソは公営のアルベルゲしか開いてないよ、と言われる。それは別にいいんだけど雨がやまない……のでカッパを着てまた歩きだす。

カッパを着る時はスマホはカッパのポケットじゃなくてその下のズボンのポケットに入れる。よっぽどの事がなければそのまま出さない……のが徒になった。

ペドロウソは道路沿いの細長い街。この近辺のみ巡礼路と国道が離れているので、街に入るなら一度巡礼路を逸れないといけないんだけど……目印をスルーしてちょうど街を通り越したあたりで気がつく。スマホがポケットに入れっぱとか関係ない。標識はあったんだから気づかない時点であんまりだよ……。

 

戻って歩いてアルベルゲ着。D君や顔見知りになった皆に会う。

まだ18時ぐらい(だいたい19時過ぎないとディナーメニューにならない)だったけどすぐに夕食に誘われる。

皆、明日の朝は早いみたい。午前中にサンティアゴ・デ・コンポステーラに着く為に3時起きで歩きだすんだって。

夕食の席で一緒に行く? と訊かれたり誘ってもらったりしたけどそれは断った。まず私の速度では暗いうちから歩いても10時までに到着するのは微妙。あと、せっかく歩くのなら最後まで景色を出来るだけ見ておきたい。出発直後ほどではないけれど朝の遅い時期で、9時頃までは周りが真っ暗だったりするから景色とか以前に私じゃ危なそうだ。

 

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夕方18時頃に開いている店を探した結果、肉、野菜、ポテト、卵、という満足感溢れるメニューに。ワンプレート+缶コーラで9.70ユーロ
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アルベルゲに帰る途中にスーパーに寄ったけど結局何も買わなかった。

Cちゃんという女の子に、カリオス・ロス・デ・コンデスで私を見た、と言われる。歩きだしてまだ数日の頃から……と懐かしいような気が遠くなるような変な気持ちになったのもつかの間。

「全身オレンジで謎のダンスみたいな動きをしていた」

いやだからオレンジはレインコートだから! あと踊ってるんじゃなくて寒いのと筋肉痛で動きがおかしかったはずだから!

他の人にも「オレンジの人」って言われたりしたんだけど確かにレインウェア上下揃ってオレンジって人は他に見なかった。単に準備中に買いに行った先にサイズが合うのがオレンジと紺しかなくて、どっちかって言うなら雨降って暗くても視認しやすいオレンジのが安全かな、ぐらいの気持ちで決めたんだが。

あと上下セットの雨具使ってる人はあんまり多くなかった印象。上だけのリュックごと覆えるポンチョ型が一番よく見かけた。

特に序盤の寒波のきてた頃は中の服が濡れると命の危険を感じるレベルだったので上下セットにしたのは間違ってない選択だったと思うんだけど、でも身動きとか蒸れなさとか考えると下はズボン、上はポンチョ型がよかったかなとも思った。

 

食事を終えてアルベルゲに戻ると、

「シャワーが水しか出ない!」

と教えてくれた人がいてどれどれと見てみたら本当に水……ぬるいとかそんな甘いもんじゃない。あと微妙に臭う感じのシャワー室だったので今日はシャワーを諦める事にする。

ついでにキッチンを覗くと音楽かけながら料理を作ってる人達がいて楽しそうだった。早朝出発組はさっさと寝てるけど食堂のあたりは日付が変わっても騒がしい。

周りがうるさくても知らない人ばかりでも平気で寝られるようになったけど、相変わらず3~4時間で一度目が覚める癖は直らないまま。