真冬のスペイン巡礼記

2018年1月、ブルゴスからサンティアゴ・デ・コンポステーラを巡礼してきました。

1/16(火)アストルガ~ポンフェラーダ~ルーゴ~サリア

今日は移動日。

朝、準備を済ませる。これから歩くぞって日に比べて気持ち的には気楽だけど、首尾良く一日でサリアまで行くにはバスの乗り継ぎをしっかりしないとと思うと別の意味でプレッシャー。

一応本数には余裕があって夕方までに移動可能なのは確認済みだけど、細かい時刻表までは調べてない。というかネットで日本語でググって出てくる時刻表はない。

 

朝8時頃はまだ真っ暗。これはアルベルゲの窓から撮ったんだったか。

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昨日乾ききらなかったズボンを再度乾燥機にかけて出発したのは8時半頃。外は少し明るくなってきている。

J君H君はまだ準備中だった。挨拶してたらRさんが待ってと言うので少し待つ。巡礼路とバス停は途中まで道が一緒だから一緒に出発するつもりなのかな? と思ってたらなんか自分のリュック持ってないし、先に私を送ってくれるらしい。アルベルゲと往復だと20分ぐらいは歩くのに……いい人だ、と嬉しくなりつつバス停に着き、別れを惜しんでからターミナルへ行ったらちょうど8時50分のバスが行った後だった。話しながらゆっくり歩いたもんねえ……ま、しょうがないし一時間半ぐらいならネットチェックしてればすぐか。

日本とスペインの時差は8時間なので、朝にTwitterとかチェックすると日本は前日の夜。なので外で一人で朝食の時とか、出発前の空き時間とかによく日本の友達の状況とか見ていた。

 

窓口でチケット買って、ポンフェラーダまでは5.5ユーロ。自由席だけどわりと空いていたのでゆったり乗れた。

到着までは2時間もかからなかった。着いてすぐに次のルーゴへのチケットを買う。これは9.19ユーロ(+何かの手数料の1ユーロ)で13:15発。

バスのチケットを買う時は自販機があったりするし、時刻表があれば指さし、なければGoogle翻訳か最悪行きたい地名さえ言えればだいたい最短のチケットを売ってもらえるし何とかなる。席も閑散期だからかどこも余裕があって、乗り継ぎに困るような場所もなかったけれど、両替機のない場所は多いから事前に10ユーロ札ぐらいまでは崩しておいたほうがよさげ。あと繁忙期に本数が増えるかどうかは分からないので巡礼の多い時期は注意が必要かも。

 

 

Ponferrada

ポンフェラーダは巡礼の途中の地でもあるけど、バス停付近は巡礼路から外れているらしく他の巡礼者らしき姿は全く見なかった。市街地のど真ん中で、地図を調べると巡礼路のほうへ行けばテンプル騎士団の城跡というやつがあるらしく、騎士団という響きにミーハーなオタク心を刺激されたものの距離的に片道20分はかかる。いや市街地なんで信号引っかかったりちょっとでも迷ったらもっとかかる。そして停車時間は1時間程度。早足で15分ぐらい歩いたところでどうやら間に合いそうにないので諦めて引き返す。

途中の道でゲームショップ発見! と撮影してから中に入り、店員さんに聞いたらOKだったので店内も撮ってみた。カービィちゃんがスペインでも愛されているのがとても嬉しいカービィ好きは一人にやにやしている。

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戻ってバスターミナルで軽い食事。パニーニみたいなやつとカフェコンレチェ。

昨日までに比べてやけに暖かく(地域柄というよりは寒波が去ったらしい)、バス移動なのもあって体温調節がどうもおかしい気がして、この火照ってるのが風邪じゃないといいなと思いながら葛根湯を飲んでおく。

バスに乗って、途中霧のようなぼやけた景色を眺める。

バス移動も楽しいんだけど、巡礼路を外れて道路を行くとなんだか悔しいような、もっと歩きたいんじゃーって言いたいような気持ちになる。いや、自分で決めた事なんだけど。

昨日からの寒暖差についていけてないせいか、山道でもガンガン飛ばすバスのおかげか、元々車酔いしやすい体質の私は途中で気持ち悪くなってしまって目を閉じるか遠くを見るかだ、とひたすら遠くを見たり寝たふりしたりしていた。

車窓からの景色は綺麗に撮れない。

 

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Lugo

ルーゴ着。ここは巡礼路沿いではなくてむしろ巡礼路から外れて少し進みすぎた町。ここからサリアまで後少しだ、と車酔いだったのと時間もあって町はほぼ見ずに次のバスへ。

ここまでは大手ALSAのバスだったけど、ここからサリアまでは地元のMONBOSという会社のバスに乗る。チケットを買ったら係の人が親切にこのバスだよと社名をチケット兼レシートに書いてくれた。

2.55ユーロ、15:20発。

やけに若い子が多いなあと思ったらどうやら地元の高校生の帰宅にも使われてるバスらしい。途中の停留所で降りていく子供達を迎えに親が来ていたりした。ここから更に車みたい……地方の通学が大変なのはどこも一緒か……と前に帰省した時は通学時間帯のちょうどいいバスが1本に減っていた地元を思いだす。

サリアまでは一時間弱。

 

Sarria

バス停に着いたら巡礼路へ向かって歩きだす。この町は巡礼証明書が貰える最短距離の100キロを少し超えたところというのでここをスタート地点にする人も多く、1週間弱の短期間で巡礼する人達の為にホタテ貝の飾りや杖を売っていてアルベルゲもたくさんある。今までの町に比べて観光地めいた雰囲気も少しある。とはいえオフシーズンなので休んでいるアルベルゲも多く、むしろどこに行けば開いてるのかなあ……といった気持ち。

ホタテ貝、そういや巡礼のシンボルなのにまだ買ってないわ……と思ったけれど後でもいいかと思ってこの時は買わなかった。

なんとなく撮った街並み。

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La Casona de Sarria Hostel

La Casona de Sarria -サリア-【 2018年最新の料金比較・口コミ・宿泊予約 】- トリップアドバイザー

 

巡礼路から少し離れたアルベルゲに決める。年中開いているアルベルゲの中でここにしたのはアプリの評価とかを見て。ホスピタリティや金額なんかの項目は個人差もあってあまり当てにならないけど、「Cleanliness」だけは参考にしたほうがよかった。ここが良い評価の宿はだいたい居心地がよくて、今回の所も当たりだった。

フレンドリーなお姉さんに案内されて手続き。宿泊10ユーロ朝食5ユーロ。朝食ちょっと高いかなと思ったけど、宿で食事のがゆっくり出来るし頼んでおく。これは正解だったと解るのは明日。

小型犬がいる。鼻のぺちゃっとした可愛いヤツ。

ドミトリーは私一人だけど他の部屋に泊まってる人はいたみたいで翌朝の朝食には私の他にカップルがいた。荷物を置いて宿の中を見ようと階段を降りてきたらお姉さんが地下の食堂に案内してくれてコーヒーを振る舞ってくれた。嬉しいなあ。犬は暖炉付近に設置された自分用のクッションでぬくぬくしている。

飲み終えて受付で地図を貰ったら今度はお姉さんは食事のオススメを教えてくれた。15ユーロ以上でちょっと高いけどとても美味しいのは確実な店と、巡礼者向けメニューがある店の2軒。

19時頃まで待ってから出かける。そのぐらいにならないとレストランは開いてないし午後はむしろシェスタでスーパーすら閉まってたりする。

まず近い方の、ちょっと高いけど美味しい店に行ってみる。入口から店内が見えない造りで入口にメニューが置いてはあるけどスペイン語のみ。そして15ユーロは最低価格らしくてちょっとどころでなくお高い雰囲気がある。何となく入りづらい雰囲気もあるなあと思ってもう一軒に行ってみる事に。

その前にスーパーを覗く。お菓子とか水とか果物を補給。味の素のカップ焼きそばがあったけどこの日は買わなかった。

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もう一軒は少し離れた場所にあって15分ぐらい歩く。夜の町とはいってもまだまだ子供も歩いてる時間で賑やかで町歩きは楽しい。カフェやバーもあるなあと見ながら歩いて、その店がある通りは川沿いのとても気持ちのいい場所だった。

看板にも書いてある巡礼向けメニューは2皿+ワインで10~12ユーロぐらいだった。お手頃だし店は外からも分かる賑やかさで入りやすい。宿では一人だったのに巡礼者こんなにいたのかよ、と思う。白人は服とか靴で巡礼者か地元の人か見分ける感じだけど、アジア系はおそらく全員そうなんだろうなあ、そしてほぼ韓国人だな、などと周囲のテーブルを観察しながら思う。

この時同じ店内に日本人もいたのを知るのは翌日の事となるのであった。

お腹いっぱいで宿に帰る。ドミトリーは一人なのでちょっと寂しいけど着替えその他何でも気兼ねなく使えるし隣のベッドに荷物も置ける。シャワーも使いやすいしトイレも綺麗な良い宿でした。

明日からまた歩くぞという思いを新たにしつつ寝る。明日はついにラスト100キロに突入。

 

バス移動まとめ

アストルガ~サリアはバスで1日の移動は全て当日のチケット購入で余裕(2018年1月時点。繁忙期に増便とかがあるのかどうかは不明)

1本ぐらい乗り逃しても夕方にはサリアに着ける時間の余裕はあるが、ポンフェラーダで観光などしたいなら一泊したほうがいい。テンプル騎士団の城跡はバス停からは遠く、外から眺める程度もついででは無理。

山を越える時の運転は荒い。酔いやすかったら酔い止め必須。

 

この区間を一日で移動する日本語の記録が見つからなかったのもあって書いてみた。私は日本の巡礼協会のバスのページを参考にしつつ、駄目だったらどこか泊まればいいやで見切り発車したが。

だけどもう一度カミーノを歩く機会があったら、その時は今回ショートカットした区間も歩きたいな。今度は雪のない季節に、日程の余裕をもってイラゴやセブレイロに挑戦したりポンフェラーダもゆっくり見て回りたい……帰国後に再就職してしまったのでいつになるかは全く分からないのだけど。