真冬のスペイン巡礼記

2018年1月、ブルゴスからサンティアゴ・デ・コンポステーラを巡礼してきました。

1/11(木)エル・ブルゴ・レネロ~マンシラ デ ラス ムラス

 目が覚めたら煙臭かったのか、煙臭さで目が覚めたのか。

 昨日の夜におじさんが暖炉に薪をかなり足しまくったせいなのか、何だかアルベルゲ内が全体的に煙臭い。

(そして荷物の布類のうちジップロックに入れていない大半が数日間煙臭くなってしまっていた)

 りんごとサアグンで買った甘いパンを食べる。J君が起きてきて朝ご飯行く? と訊いてくれたけど、もうりんご食べちゃったんです……朝店が開くのは9時ぐらいだし、私は歩くのが遅いからもう出るんだよ……という事で彼を置いて8時過ぎに出発する(そしてそれでも昼までには抜かされる亀が私だ)。

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 今日はとてもいい天気!

 日の出の写真を撮ってまた歩く。

 少し経った頃に後ろから誰か来る気配。J君かなと思ったら違った。追い抜いてもらおうと道を空けて、ブエンカミーノ、と挨拶しようとしたら日本人っぽい。

「日本人?」

「日本人だよ」

みたいなやりとりをしたすぐ後に、

「もしかしてユキさん?」

と訊かれる。

「ふぁっ……? 何で知ってるの?」

「二日前に泊まったアルベルゲの、黒人のホスピタレイロがユキって日本人の話をしてたから」

「あーDさんか!」

 私の話とは何だ。足湯でギャーギャー悲鳴をあげたのと彼にサヨナラはおやすみじゃないと教えたぐらいしかエピソードはないのではないだろうか。あるいは杖がなくてヘロヘロだったとか。

 でもほら、私も思いついた事はあった。

「もしかしてT君?」

 当たった。

「えっ何で?」

「Gちゃん知ってる? ブルゴスで会った子なんだけど、その子がTって日本人と一緒にいた、って言ってたからそうかなあと」

 ああ、とT君も納得顔。

「Gは今レオンにいるんだって。あと知ってる? ※※さん」

「えーっと誰だっけ?」

「ドイツ人の」

「心当たりが二人。どっち?」

「上半身に目立つタトゥーがある人」

「分かった会ってる!」

「その人達も一緒にいるって。だから今日レオンまで行く」

「今日??? えっと、こっから35キロ以上あるよね……」

 これからの距離に驚きすぎてT君が今朝どこから来たのか訊いてなかったんだけど、私の泊まってたエル・ブルゴ・レネロは他に泊まるアルベルゲもなかったから、もう一つ前だとしたら今日一日で45キロぐらい歩くのか。

 T君はブルゴスで寄り道して他の街へ足を伸ばしたりしてて、でも巡礼路に戻ったら一緒にいたGちゃんや皆に会いたくなったからここ数日頑張ってかなりの距離を追いかけてるんだって。凄いなあ。

どこ出身、とかどこから歩いてる、とかどんな仕事をしててどう予定つけてカミーノに来た、とか自己紹介兼世間話みたいな会話をしながら歩く。私ほぼ日本語しか話せないよって言ったらどうやってここまで来れたのって言われたけどまあ親切な人達とグーグル翻訳のおかげです。

 彼もやっぱり宿に一人になっちゃう事は何度かあったって。よけい寒い気がしてきついよねとか言いながら、昼前に途中の町で開いているカフェに入ってコーヒーを飲む。

「ここWi-Fi電波なくない?」

「うん電波ない、けど……」

 この辺りで気がついた。山の中ならまだしも大きな街が近いのに相変わらず圏外だな、とさすがに不審に思ってスマホの設定を見直し→いつのまにか「データ通信をしない」にチェック入っているのに気がついた。そりゃずっと圏外なわけだ。

 だいたいの宿やバルで、カウンター内の壁とか客室とかに普通にWi-Fiパスワードが貼ってあって客は自由に使えるからあんまり困らなかったんだよね。移動中はダウンロード済みのアプリの地図とMAPMEでGPSさえ繋がってればどうにかなったし。

 カフェでゆっくり休憩して、次に歩きだした時がT君とお別れ。なにせ彼は今日はまだ後30キロぐらいは歩かないとレオンへ着けないから。私はもう今日は後10キロぐらいにして、一日遅れで着くからもうT君やGちゃんとは会わないだろう。ほんの数時間だったけど話せて楽しかったよ。

 私は一日20キロ弱、が一番楽で充実しているなと思うようになっていた。

 Dさんに貰った杖を撮ってみた。結局この杖には巡礼の最後まで助けられ、日本へも持ち帰る事になった。

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 牛さんを見かける。遠くまで見通せて今日は本当にいい天気!

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mansilla de las mulas Gaia Hostel

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町に着いたのでアルベルゲを探す。

着いたのは温かくて雰囲気のとてもいいアルベルゲ。6人部屋が幾つかと、廊下に面したダイニングキッチン、それに暖かい季節にはくつろげそうな裏庭があった(しかし今は寒いので見ただけ)

相変わらずJ君と同室。彼とはもう殆ど同じペースで進んでいるようだった。あと夕方頃に自転車で巡礼してるらしき男性が一人。

昼間はいい天気だったけど、日が暮れるととにかく寒い。

あまり遠くへは食事に行くのもきついのですぐ側の店のパスタで済ませた。安かったけど味は正直微妙だった。

明日はついにレオンに着く。

大きな街だし、街を見て回ったり大聖堂を見たりしたかった。あと一日歩かずに身体を休める事も。

一泊目はアルベルゲにする。アルベルゲは連泊は出来ないようだし、身体も相当疲れているのでここでアパートメントホテルを予約する。Booking.comで25ユーロぐらいの所。ちょっといいところに泊まるの楽しみだな。