真冬のスペイン巡礼記

2018年1月、ブルゴスからサンティアゴ・デ・コンポステーラを巡礼してきました。

1/10(水)サアグン~エル・ブルゴ・レネロ

朝ご飯は昨日買ったパンとチーズ。電子レンジで温めるだけでちょっと美味しい……けど失敗だ。これミルクパン的な甘めのやつ過ぎてチーズには合わない!

(結局翌日以降はパンはパンで食べてチーズはおやつにした)

雪がやんだ朝。私も晴れてるうちに距離を稼ぐぞ~って朝8時に出発。でも晴天とはいかなくて霧の中をひたすら進む。

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霧もそのうち霧雨になってしまった。昨日の今日でぬかるんでいる所が多いので気をつけて歩く。半端な水溜まりが凍ったりしているのが怖い。

視界はあまりよくなく、来た道も行く先もすぐに見えなくなってしまう。そして相変わらず寒い。

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横断は気をつけて、の標識がなんか書き足されて悪魔による少女誘拐みたいになっていた。

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午後に一時雨が降り、それが晴れた夕方近くにやっと青空を拝めた。雲は多いけど。

この日は景色を楽しむには午前中の霧が深くて、起伏のない道路沿いの道をひたすら歩いた。でも18キロぐらい。

 

 

 el burgo ranero Domenico Laffi Pilgrims Hostel

小さめの町に着いた。晴れてはいるけど寒い。

アプリだとこの町の公営アルベルゲにはヒーターが無いらしい。そんなんこの気温じゃ寒くて死ぬんじゃないの、という事でもう一つ開いているはずのバル兼アルベルゲに行ってみる。

「泊まれる?」

「CLOSE」

……バルは開いてるけど泊まりはやってない、と。あそこに行け、と示されたのはヒーターの無いらしい公営アルベルゲ。しかたない。死なないように頑張ろう。

中に入るがホスピタレイロはおらず、J君が一人座っていた。

どうやら不在で受付が出来ない様子。仕方ないので私も待つ。

一階は玄関入ってすぐの広い部屋。隣にキッチン。奥にトイレシャワーらしきドアがある。部屋の中心には暖炉があるが今は火が入っていない。

三十分としないうちにホスピタレイロがやってきた。快活な女性でさくさく受付をしてくれた。5ユーロ。

暖炉に火を入れてもらってほっとする。ホスピタレイロは受付と着火だけしてすぐに出ていったけれど、暖炉に薪を足す為に時々息子さんらしき少年と戻ってきた。

部屋は二階に四部屋。二人しかいないのであえて別々の部屋に入ったらシングルルームみたいなものだね広々している。しかし寒い。超寒い。最初に入った部屋は雨戸を自力で閉められなくて入りこむ冷気が非常に厳しかったので一度移動したけどそれでも寒かった。暖炉の排気パイプが二階を通っているから少しは暖まるはずなんだけどもう本当に少しでしかない。とても部屋にはいられないので荷物整理だけして、書く物を持って階下に下りるとJ君もやっぱり寒かったようで暖炉の前にいた。

日記を書いたりして時間を潰す。近所に小さいスーパーみたいな商店はあるけどシェスタなので16時ぐらいまで何も買えない。

そのうちもう一人来た。韓国人の中年のおじさん。三人揃って暖炉の回りに濡れた靴やら手袋やら置いている。

店が開く時間になったので一度外に出て、それからついでにさっき宿は閉まっていたバルで温かいカフェコンレチェを飲む。暖房があるのはいい……。

やっと天気がよくなってきた夕方。

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一度戻ると、後から来たおじさんは買物に出ていたのか不在。J君が、さっきの店で19時から食事やってるから行かない?と。他に食べる所もそんなにないしもちろんOKする。

まだ時間があるのでシャワー……と考えてシャワー室を覗いたが、この寒さとこの建物の造り……私の髪の長さ(なかなか乾かない)で、今日の寒さと暖炉しかないこの状況でシャワーを浴びたら後の寒さで体調を崩しかねない。

という事でシャワー断念。旅の間にシャワーを浴びなかったのはここと、後は後半にもう一箇所だけでした。後から知りあった子はここに別の日に泊まっていて、「あんまり寒くて一緒に泊まった人達はベッドのマットレスを担いで一階に下りて暖炉の回りで寝た」とかいう凄い話を聞けた。

宿帳がある所では読むのも楽しみの一つ。玄関に分厚い宿帳があったので色々見てみる。やっぱり冬は毎日数人しかいないんだけど、一か月程前の12月に日本人の女の子らしき名前を発見。しかし内容が。

「ここネズミさんが住んでるみたいだから、食べ物はちゃんとリュックに入れて寝てね」

怖いなあ……J君にも念の為伝えてから自分の荷物もしっかりしまい込みましたが結局ネズミの気配も私は感じなかった。

寒いとかシャワー無理とか色々ネガティブな事書いてるけど、ここの宿は5ユーロだし寒い季節でなければ値段なりに良いところだと思います。ベッドや部屋は清潔だったし、むしろあの建物の造りは夏涼しそう。キッチンも広めなので食材を持ちこむタイプなら大人数でわいわい調理出来るだろうし。

その暖炉はおじさんがガンガン薪を足すので三人ともなかなか暖炉の側を離れられない。私も少しはお手伝いして火掻き棒の使い方を知ったというか火掻き棒を初めて触った。成程これはミステリの凶器に使われるわけだ。

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時間になったので晩ご飯。おじさんは自炊派らしく、また二人でバルに。

今回も二皿選ぶ方式だったので、サラダとビーフ。あとワイン。

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あんまり覚えてないけど日記を見返すと肉についてるポテト美味いって書いてあった。

ワイン飲んで身体を温めておかないと寝れないよ、と言いながら二人でワイン一本空ける。がっつり食べて飲んであの寒いベッドに備えるのだ。

アルベルゲに戻る。寝るギリギリの時間まで暖炉の前で過ごして、ベッドに入ったら寝袋の上に備え付けの毛布を掛けて寝た。今日はさすがにダウンを着こんだまま。でもなんだかんだで寝袋に入ったらぐっすり寝られた。