真冬のスペイン巡礼記

2018年1月、ブルゴスからサンティアゴ・デ・コンポステーラを巡礼してきました。

ポルトマリン~パラス・デ・レイ

 

朝、七時台にはまだ寝てる人も多い。

起きてる人達が準備する中をごそごそ着替えて荷物を纏める。ここのアルベルゲは寝室2階キッチンその他は1階なうえに結構広いので何度も行き来するのはめんどいし朝食は出る直前にする。

さて、キッチンではお湯は出なかったね。コンロはあるけどケトルが無いね。けど電子レンジがあったので水投入→5分ぐらいチンしてひとまず食べられる味のカップ焼きそばが出来たよ!

8:15頃出発。

サリアを過ぎてからは(冬なのもあるだろうけど)早起きする人は少なくて、それなりに明るくなる九時十時ぐらいに出発する人も多い。とはいえ歩くの遅い私がそんな事をしたら次の街に辿りつけないのでちょっと早めに出る。

朝はまだ靄のかかった道。天気が悪いというわけではない。

長閑だけれど坂が結構多かった。まずポルトマリンを出てから巡礼路へ戻るまでに坂だらけだしな。

f:id:poyopoyota:20181106004718j:plain

f:id:poyopoyota:20181106004736j:plain

 

途中、昼前には遅く出てきたD君に追いつかれてみかん貰った。

D君と一緒に歩いてるグループの人達は今日はパラス・デ・レイまで行くみたい。私は昨日から背中の痛いのもあってゆっくり17キロ地点のところで泊まろうかなと。そうしたらちょうど翌日にプルポの名所メリデに泊まれそうだし。だからもう会えないかもねと話しながら見送る。

f:id:poyopoyota:20181106004750j:plain

背中のせいで体調は結構ギリギリだけど、ガリシア州に入ってからは山歩きが本当に楽しい。天気がよくて寒波も通り過ぎたのであまり寒さも気にならない。

あと自然の匂いがする。メセタの大地は乾燥してて植物もあまり見なかったし雨が降っても草の匂いとか感じなかったけど、こっちは土も草もしっかり匂うし、水が出てるようなところも頻繁にあって、せせらぎの音を聞きながら歩いたり落ち葉を踏んだり、足元は汚れるけど楽しい。

f:id:poyopoyota:20181106004823j:plain

 

踏むとダッシュ出来るやつだーっ!!! と喜び勇んで踏みに行ったマリカースーファミ世代です。標識なのか何なのか判らないけどこれだけでテンションだだ上がりになれる日本人というかマリカー育ちは多いのではないだろうか。

f:id:poyopoyota:20181106004842j:plain

f:id:poyopoyota:20181106004852j:plain

 

歩いて歩いて17キロ地点の宿は閉まってたので、バルででかい餃子みたいなピザ包みみたいな謎な食べ物(エンパナーダっていうらしいのは帰国してから知った。美味しかった)を食べてからまた歩く。

クリスマス頃~1月にかけてはアプリや本で「All year round」と書いてあっても冬休み的な休みのところがある。電話で会話出来る英語力とスマホがあれば前日や当日に問い合わせるとか出来るけどまあ私が持ってたのはデータ専用SIMだよねっていう。

パラス・デ・レイまでならそんなに遠くもないし頑張るか~って歩く。

サリア~サンティアゴ・デ・コンポステーラは4,5日で歩けてしまう事もあって、ここだけ歩く人もとても多いそうだ。私も当初の計画ではサリアからなら飛行機含めて十日でこなせるかなとか、アストルガあたりから始めて半月のコースはどうかなとか考えていた。結局少しでも長く歩きたくて制限日数ギリギリのブルゴススタートにしたんだけどね

サリア以降は街の雰囲気も観光地的なところが増えてくるから、観光地じゃない旅をしたい、という気持ちがあるならもう少し前から歩いたほうがいいかもしれない。

日本からだとどっちにしろ遠いけど、EU圏内の近場からだと飛行機往復も含めて一週間~十日ならハイキング程度の気持ちで楽しめるのかもしれない。荷物少なめどころかアウトドア用でもなさそうな普通のロングダウンコートで歩いてる女性や(雨降ったらどうするんだろう。でももこもこして暖かそうだった)、音楽流して時々踊りながら歩いてるグループとかも見かけた。

逆に遠くからずっと歩いてる人達はこの辺りまで来るともうペースが同じ人同士で固まっていて、ゴールまで一緒に行こうと意気投合してる感じの人達も見かけた。私はバスでショートカットしたんで昨日今日会った人の他に知りあいはいない。……と言いつつこの直後に巡礼最初に会った人を見かけたりゴール後に会えた人もいたんだけど。

 

Palas de Rei

着いた着いた、と辺りを見回す。まだ暗くはないけど急いだほうがいい時間ではあった。ベッドは早い者勝ちだけど二段ベッドは出来れば下がいい。

宿はたくさんあるけどやっぱり閉まっているところも多い。よく解らなかったらとりあえず公営に行くって手もあるな、と考えてたところで、巡礼初日に会った犬連れの男性を見つけた。

少し挨拶して別れる。彼は犬OKで空いてる宿を探すから、と言っていた。

私はもう結構疲れていたので手近なところへ飛びこむ。あんまりどんな宿だったか覚えていないんだけどこんな写真は撮っていた。 

二段ベッドの下の段から見上げた所。皆落書きし過ぎや。

f:id:poyopoyota:20181106004903j:plain

 

自分が歩いた証とか、どっかに何か残したくなるものなのかもしれない。落書きはあかんけどな。

あんまり覚えてないけど部屋ごとにシャワートイレがある方式だから女性しかいないタイミングで明るいうちにとっととシャワーを済ませたらしい(と日記に書いてある)。これもアルベルゲあるあるだけど。

地図で夕食をどこにしようか調べる。アルベルゲのすぐ近くにプルポを出してくれる店があるようなのでそこに決めた。

初プルポの店は店員のお子さんみたいな子がタブレットで遊びつつ、時々お母さんが様子見に来て何か食べさせたりしていて微笑ましくも可愛かった。夫婦でやってるのかな?

でかいサラダ好き。シーチキン盛り盛りだし普段ならこれだけで食事が済みそうなものだけど、たくさん歩いた後なのでこの後にメインも入る。

f:id:poyopoyota:20181106004917j:plain

f:id:poyopoyota:20181106004924j:plain

 

プルポ美味い……タコが大ぶりで味付けはシンプルでオリーブオイル……語彙が少ないがとにかく美味い。

プルポとミックスサラダとグラスワインで17ユーロ。アルベルゲが6ユーロ。